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Jun.
2006
Yellow

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/ 5 Jun. 2006 (Mon.) 「三者の憂鬱」

似てるなあ。

村上ファンドのニュースをめぐる憂鬱な気分については、こっちの日記ではなくブログのほうに書いたけれども、結局私の場合それは「気分」以上のものではなくて、言及するにあたっての確かな立脚点のようなものは何もないのだった。ほんとうに、村上代表に関しては「顔が欽ちゃんに似てる」ことしか知らない者なのだ私は。いいじゃないか、似てるんだからそれで、と言いたいくらいである。
私の「憂鬱」はつまるところ、「恣意的な動きをする見えない権力(への想像)」といったものに起因するのだろうが、前掲のブログ記事では私は、地検の側にだけその権力のイメージを付与していた。一方で「富士日記2」を読むと、宮沢さんの憂鬱はもっと深く、両者の側に──そして私にもまたなにがしかの権力があるように、当然のことながら──権力はあったのであり、その力関係の政治的なあらわれではないかと想像してみせている。

しかし、村上ファンドにかんして東京地検が動いた背景には、なにやら、もっとべつのことがうごめいているのを、つい、考えちまう。だって、村上ファンドの顧客には政治家らもいただろう。村上さんも官僚出身だしね。圧倒的な政治力を背景にしていたはずだ。それでのんきに構えていたところ、もっと強い政治が動いたのではなかろうか。
富士日記2 - 6月5日付)

 「つい、考えちまう」という口調で予防線を張るように、これだっておそらくは「まったき想像」なんだろうが、より憂鬱の度合いは深く、それゆえ想像力としてはより真っ当であるようにも思える。いや、だからわからないのだけど、なにも。
にわか事情通をよそおおうとしてさらにネットを経巡れば、たとえば次のようなブログ記事に出くわす。ニューヨーク在住だという弁護士によるブログの記事である。

「村上氏が残すもの」(ふぉーりん・あとにーの憂鬱)
「村上氏立件へのハードルとその影響」(同上)

なんとここにも憂鬱な人がいた(「ふぉーりん・あとにー」という平仮名のハンドルネームが「憂鬱」にふさわしいかどうかは置くとして)。議論の質が高く、ある視点に立つ者にとっては興味深い指摘がなされているらしいと読んだのはまったくの印象でしかないが、しかしこうした水準での議論が一方では必要なのだろう。って、法解釈とか、そういった話になるとやっぱりわからないんだよ、ちくしょう。判断がつかない。私はアドソか。だから次のような、比較的わかりやすい「図式の逆転」だけを取り出して引用することはかえって「ワイドショー」的振る舞いでしかないのかもしれないけれど、まあ、たとえばこうした見方もあるということである。

村上氏が、何故この段階で認めたのかという点については、いろいろな憶測が可能でしょうが、事実については認めて勾留の長期化を避け、情状を確保しつつ、公判では弁護士を前面に立てて「村上氏立件へのハードルとその影響」であげた167条の構成要件解釈に関する点をつき無罪を争うというのが一つの見方でしょうか。

・・・ただ、もし村上氏が、それすらも争わず、およそ上に掲げたような事実関係[引用元を参照のこと:引用者註]の下でもインサイダー取引に該当するという先例のみを残して、日本を去ったとしたら・・・この「先例」は166条インサイダーも含めて、日本の証券取引実務に落とす影が村上氏が愛想を尽かした日本市場に残す呪いなのかも知れません。
ふぉーりん・あとにーの憂鬱: 村上氏が残すもの

 ちなみにまた、このなかの、「この『先例』は166条インサイダーも含めて、日本の証券取引実務に落とす影が村上氏が愛想を尽かした日本市場に残す呪いなのかも知れません。」の部分に関しては、別のブログでこうした意見が重ね書きされてもいる。

私もそれを危惧するが、呪いをかけたのは村上氏ではないという点は留意する必要がある。彼は「呪われた」側であって、自分に「呪いをかけられた」ことを公表しただけなのだ。

呪いをかけているのもかけられているのも、我々自身なのだ。

もっとも、追訴という「呪文を唱える」ことが出来るのは、なぜか日本では検察に限られている。それはなぜなのだろうか?

そして検察自身に嫌疑がかかった時に、それを雪ぐのは誰なのだろうか?今回はタイミング一つとっても、「検察はオールドエコノミーの意向を汲んで行動した」と言われてもおかしくない。「そうではない」と有権者を納得させるのは、「私は聞いてない」を証明する以上に難しいことなのではないか?
404 Blog Not Found:聞いたもの負け

本日の参照画像
(2006年6月 6日 15:33)

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