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Aug.
2007
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/ 7 Aug. 2007 (Tue.) 「ひきつづき『栃高』の話」

「富士日記2」での言及リンクから来られた方は、まずきのうの日記へどうぞ。
で、きのうの日記の末尾、ウィキペディア上の「栃木県立栃木高等学校」(ちなみに略称の「栃高」が「とちたか」であるのは「栃木工業高等学校」の「栃工」と区別するため)の記述に触れて私は、

関係ないけど、いまウィキペディアにある「栃木県立栃木高等学校」の項目を見たら、概説のところにいきなり次の記述があって笑ってしまった。

なお、平成18年の末から各学年の教室にてエアコンの設置工事が進められており、平成19年の夏季から使用される予定である。

 それ重要かよ。あきらかに〈エアコンの有無が重要な問題である人間〉が編集してるだろう、これ。あそこの教室のやつか。

 と書いた。この場合は、〈内部の人間〉というか、要するに生徒ですけど、そいつがこのエアコンに関する記述を書き加えた(あるいはほかの記述もこいつが書いているが、エアコンに関してだけ、事の重要度についての価値判断が乱れた)のではないかと楽しく想像され、その意味で(辞書的な〈透明性〉を欠いた、〈顔〉のようなものが現れたことに対して)「誰だよおまえは」ってことになるわけだが、つづいてネットサーフィンをするうち、ウィキペディア界にはそれとはまたべつの「誰だよおまえは」があることを私は知ることになる。
というのは、「栃木県立栃木高等学校」(きのう説明したように男子校である)とも非常にちかしい関係にある女子校、「栃木県立栃木女子高等学校」(略称は「栃女/とちじょ」)についての記述だ。むろん「栃女」においても、「栃高」と似たような〈記述者の顔の現れ〉はあり、たとえば概説の部分に書かれる、

近くにある太平山の麓には「ファイト、栃女」と書かれた石がある。

 というどうでもいい情報や、

毎年校内では大平山耐久レースという行事が行われ、女子校で有るにもかかわらず、山道を含む約15kmを走らされる。[強調引用者]

 という恨み辛みには、ぼんやりながら卒業生の〈顔〉が浮かんでくるけれども(「女子校で15km」というのが全国的にみてどうなのか、そこのところ私は判断材料をもたないが、ちなみに「栃高」の「耐久レース(マラソン大会)」は32kmだ。ばかである)、しかしいま、私がより問題にしたいというのは、たとえば「制服」の項にある次のような記述のことである。

ここ数年でスカート丈を短く上げたり、スカーフを付けなかったり、カフスを開けたままにしたりする着こなしが見られるようになった。

 誰なんだいったいおまえは。「ここ数年」での変化を指摘するからには、それ以前から、少なくとも十年ぐらいにわたって彼女らの着こなしの流行、その変遷を見つづけてきたにちがいない者がここにいることになり、そう考えたとき俄に、純粋な事実の列記であるかのようにも見える直前の記述のなかにもまた、その記述が抱え込む〈視線〉のあやしさが透けてくることに気づいて、慄然とさせられるのだ。

デザインは近くにある栃木県立栃木商業高等学校と同じであるため、校外で共に校章バッジを外してしまうと区別できない。

 いいじゃないかと私は言いたい。区別できなくたってさ。でも、これを書く者にとってはちがうのだ。制服のディテールを記憶し、見分けることの欲望に貫かれた者がそこにはいる(ように読め、で、笑ってしまった)
さて。きのうの日記を読んだ永澤(高校同級で、演劇部仲間のひとり)コメント欄に書き込んでくれていて、そこにはこうある(抜粋)

ウィキペディアの注意書きに,
「中立的な観点:この記事は、中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、あるいは議論中です。そのため、偏った観点によって記事が構成されている可能性があります。」ってあるけど,どこのことかな?エアコン設置への想いがチベット経験者とそれ以外で違うってこと?

 で、ここに出てくる「チベット」が読者にはよくわからないと思うので(まったくどうでもいいことながら)解説しておけば、つまり私が「あそこの教室のやつか」と書いたその教室のことを、古くから生徒たちは「チベット」と呼び習わしていて、ま、端的にいって冬、校舎の構造や日当たり等の条件によるものか、他の階や棟にある教室とはまったく不公平に、「ものすごく寒い」一角があるのだった。
いや、だからそんなことはどうでもいいんだけど、それより永澤には、どうせだったらおとといの日記に書いた呼び掛けのほう、

ていうか、みんなお盆休みとか予定はどうなんだ。上山君はまだ中国に行ったっきりか。永澤は何をしている。荒川はいったい今年で何歳だ。

 にこそコメントをもらいたかったのであり、ずるいことを書くが、たとえば私が期待したコメントは次のようなものだ。

お盆は実家にいると思うよ。あと、荒川君はぼくらと同級だから、今年で32歳じゃないかな。

 このコメントが書かれることによってようやくあの日記は完結するのだ。完結したってどうなるものでもないけど。

(2007年8月 8日 20:59)

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