/ 6 Apr. 2014 (Sun.) 「口上の記憶」
■昼ごろに起きる。ベーグルを食べる。「鈴木茂『 BAND WAGON』LIVE@渋谷 WWW」のチケットは無事にとれた。夕方銀座へ。床屋(いや、美容室ってやつですがね)で髪を切る。ポイントがたまっていると言われ、簡易版(?)のヘッドスパも。
■新宿三丁目に移動して、末廣亭。19時をまわると入場料が 1,500円になる(ちなみに 3月31日以前の料金設定では 1,400円だった)。入ると仲トリの金馬が「ちりとてちん」を演っていて、そこから。
ちりとてちん 三遊亭金馬
〈仲入り〉
口上 下手より市馬=司会、金馬、東三楼、権太楼、馬風
俗曲 柳家小菊
酒粕〜からぬけ 古今亭志ん橋
蟇の油 柳亭市馬
太神楽 鏡味仙三郎社中
幾代餅 柳家東三楼
仲入り後の開演直前、ここのところ出くわさないのでさすがにもうやってないのだろうと思っていたところへひさびさ、例の馬風の「ただいま、女性トイレに入れ歯のお忘れ物がございました。柳亭市馬がお預かりしております」云々の場内アナウンスがある。それでちょっと、へんな経路だけれど志ん朝のことを思い出した。かつてまだ志ん朝が存命で、落語協会副会長として披露口上に並んでいたころ、馬風はいまよりももっと(当時は司会のポジションで)好き放題に口上を遊んでいて、居合わせた志ん朝がそれに苦い顔をするというのが、思い返すにいわばワンセットになっていた。志ん朝ファンのかたが作っていた「生活の柄」というサイトに以前、志ん朝の参加した披露口上の速記(!)が掲載されたことがあり、そのサイトはもうとうに閉鎖されてないのだが、さすがの「 Internet Archive: Wayback Machine」がキャプチャを残しているのでまだ読める。そのひとつが 2000年の、林家たい平・柳家喬太郎真打昇進披露興行における口上の速記で、馬風がどんなだったかを知らないかたは、そちらをお読みいただくとだいぶ雰囲気が伝わる。下に引いたのは、そのなかの志ん朝の口上の冒頭部分。
えー、一言ご挨拶、またお願いを申し上げます。
その前に、みなさま方に、お詫びを申し上げなければいけないのは、
本来は、口上と言うものは、もう少し重みのあるものでございまして、
それを、司会舎のせいで、もういくら言っても分からないんです。何か勘違いをしております。
えー、本当にすまないなと、みなさま方に思います所から、
近々理事会を開いて、馬風をどうしようかと(場内爆笑)、相談しようという気持ちになりました。
たい平・喬太郎真打昇進披露口上
「何か勘違いをしております」の口調がありありと耳によみがえる。
■本日のトリ、新真打の三代目柳家東三楼は前名・小権太で権太楼の弟子。ゴールデン街で知り合ったんだと思うが小笠原(悠紀)や大場(みなみ)さんと付き合いがあり、グーチョキパーズの『相馬さんの書いたコント』も観にきてくれた。あのときは「落語の精」というおまけのネタでわたしが「道灌」をちょっと演ったので、終演後に「どうもすいませんでした」と声をかけ、「はあ」という顔をされたのを覚えている。
■ネタは 3月15日の深夜寄席にかけていたのと同じ「幾代餅」。出来もそのときとほぼ変わらないが、いくぶん深夜寄席のときのほうがよかったかなあ。
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