5
May.
2017
Yellow

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/ 25 May. 2017 (Thu.) 「応援が足りなかったのだ」

ごちゃっとしたなかに埋もれるロビン。2011年12月。

21:18
あー油断した。おれが油断した。
21:51
あー語り明かしたい。いますぐ練習でもいいぞ。

内藤祐希のシングルス三回戦。負け。手ひどい敗戦だった──わたしにとって。
大きなアップセットとなったきのうの相手とは異なり、今日はノーシード同士、前週のランキングもとても近く、「勝てる相手だ」とお互いが思って臨むあたりがかえって厄介そうだという事前の夢想はあった。その不安のど真ん中を突かれるような感じで第1セットは相手に流れが行く。3-6。
そして第2セット。「今日はきびしいのかなあ」とすでに弱気なことを思いかけたライブスコア越しのファンを尻目に、ここで内藤はいったん 5-0までいくのである。余裕を思わせた。いきおいこちらは目の前のスコアから目を離して、「問題は、ファイナルセットの流れをどちらがどう掴むかだな」といったことのほうへと意識を滑らせる。そしてここから、ついに内藤は一度もキープ/ブレイクできずに、連続 7ゲームを失って負けるのである。
はたしてコート上の内藤に油断があったかは知らない。何があったのかはわからない。ともあれ、少なくとも、わたしは油断した。すごい悔しいよ、とわたしは向かいの者に声をかける。同意を求めるふうでもない声で、多少酔っているようにも聞こえた。事情を察しきれない様子の向かいの者──バーテンダーのように見えたが、いつわたしはバーに入ったのだろうか──は困ったような顔しかしてくれない。何より、誰より、内藤自身が相当なショックを受けているのではないかということが気にかかるが、では何と声をかければいいのかがわからず、それに、ここに内藤はいない。いればいいのになあ、と思う。こんなバーテンダー──ようやくくっきりとしだしたその相貌は知り合いに似ていたが、いつからこのひとはバーテンダーになったのだろう──ではなく、内藤がここにいればいいのになあ、と。うまい言葉がけっきょく見つからずに、ただ「どんまい」と、使い慣れたものでもないその常套句を SNSから送ったけれども、伝わっただろうか。負けは負けだよ。いかに手痛い負け方だろうと、所詮は負けだ。力が及ばなかったというだけのことだ。
そうだ。応援が足りなかったのだ。どう考えても。こうなったら応援する。声のかぎり。がんばれと言う。その名を呼ぶ。こんな手ひどい負けはもういやなのだ。気づけばもうバーテンダーはおらず、いつ乗ったものか、わたしは電車に揺られていた。

シングルス三回戦
En Shuo LIANG (TPE) d. Yuki NAITO (JPN) 6-3 7-5
ダブルス準々決勝
Yuki NAITO, Mai HONTAMA (JPN) d. Taylor JOHNSON, Ann LI (USA) 6-4 6-3
@ 58th Trofeo Bonfiglio - Campionati Internazionali d'Italia Juniores

Walking: 3.8km • 5,910 steps • 1hr 3mins 11secs • 179 calories
Transport: 71.6km • 1hr 51mins 31secs
本日の参照画像
(2017年5月30日 07:08)

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