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Feb.
2019
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/ 12 Feb. 2019 (Tue.) 「おすすめのレスラー」

森岡理右『プロレス名鑑』(廣済堂出版)

坂口征二。

坂口征夫。

この並びにならべてほんとうに申し訳ないが、佐藤久真莉。

とあるプロレスファンがいて、ファンになって日は浅いらしいものの〈いま〉のプロレスについてはわたしよりもずっと知っていると思われるその人にはこちらがいろいろ教わりたいと思っていたところ、逆に「だれか(おすすめのレスラーは)いますか?」と訊かれてしまう。さしあたり新日本プロレスしか観ていないというその人がケニー・オメガに目星をつけ、応援しようと思った矢先にそのオメガが新日本を退団(アメリカの新団体 AEWに移籍)してしまったという経緯から、じゃあつぎの贔屓は……? となった LINE上の会話の流れだが、うーん、ろくな名前が出てきやしねえ。「ケン・パテラ」とかね。そんな、じっさいに試合してるところを見たこともない──ただただ響きだけが記憶にある──往年のレスラーの名前ばかりがつぎつぎ浮かんで手に負えない。
ケン・パテラとか、マッドドッグ・バションとか、そういった名前をどこで仕入れたのかと記憶を辿ると、たぶん、豆たぬきの本の『プロレス名鑑』だ。おそらくは長兄( 10コ上)の蔵書で、子ども部屋の本棚にあった。初版は 1980(昭和55)年で、そこに載っている猪木は 36歳、馬場は 41歳である。「テクニシャン」「オールラウンダー」「パワーファイター」「無法派レスラー」「頭脳派レスラー」「凶器派レスラー」という、わかったようなわからないような章立てで、筑波大学助教授(当時)の森岡理右1]が 85人のレスラーをざくっと紹介するのだった。と、そんな描写までしはじめていることからうすうすお気づきのとおり、森岡理右『プロレス名鑑』はいま、わたしの手元にある。前述したとあるプロレスファンとの会話からの思わぬ帰結で、ついつい、古本をネット注文してしまった。
いろいろ悩んだ挙げ句、LINE上ではなかば投げやりに「坂口征二」と返したのだけど、それには間髪置かずに「だめだめ、男臭すぎ」と返ってきて、え、通じているのか? と虚を突かれる。あるいはググったのかもしれないが、名前で画像検索して検討したにしてはやたら反応が早かったため、ひょっとして息子の、格闘家・プロレスラーであるほう(長男)の、「坂口征夫(ゆきお)」と取り違えているのではないかという疑念も湧く。征夫のほうは逆にわたしがぜんぜん知らないので画像検索するとたしかに「男臭い」と形容できる顔付きなのだけれども、いっぽう、父・征二は征二でこちらも男臭くないわけがなく、話は通じているのか行き違っているのか、真相はよくわからない。って、書きながら試していて気がついたけど、加えていま、「坂口征二」で検索すると Googleが出すナレッジパネルが顔写真を間違えていて、次男の坂口憲二の顔が出てくるのね。
といったわけで、その人の言う「男臭い」が征二のそれなのか、征夫のそれなのか、憲二のそれなのかはわからないものの、じゃあひるがえって〈男臭くない〉のは誰かということになれば、そこはやっぱり「貴公子」リック・フレアーだろうかとか、「美獣」っていうくらいだしハリー・レイスはどうなのかとか、ニック・ボックウィンクルって何だっけ? とか、やはり何ひとつ有益な候補が出てこない〈 80年代育ち〉のわたしなのだし、そのどれもこれもがあらためて写真を確認してみれば、レスラーとしてのあり方・佇まいがどうであれ、どこをどう考えても〈男臭い〉のだった。でもまあ、そこはそれ、いまや手元には『プロレス名鑑』があるのだし、そのたしかな(そしてざっくりした)情報のもと、いくらでもレスラーをおすすめしたいというのがわたしの心境だ。

1:筑波大学助教授(当時)の森岡理右

各所の記述に倣い「現在は名誉教授」と書こうとして念のため調べたところ、どうやら 2017年にお亡くなりになっているらしい。筑波大学同窓会が出している季刊誌『茗渓』1100号(2019年 正月)の「追悼録」( p.25)に名前があった。計算すると享年 84。合掌。

テニスの内藤祐希は先週の優勝からひきつづき、今週もまたアンタルヤの大会に出ている。これ、アンタルヤ、ずーっと大会やってるのね。SNSでの発言を見るに来週までの 3週間= 3大会はアンタルヤらしい。今日はシングルスとダブルスのそれぞれ一回戦。あと、こちらも同じく 3週間アンタルヤに出場し、内藤とはダブルスを組む 16歳の佐藤久真莉(ひまり)もシングルス一回戦があった。

21:24
きっちり勝利がすばらしい、アンタルヤ2周目一回戦突破。 #内藤祐希
27:45
ダブルス、先週ねじ伏せられた第1シードペアに1回戦でまた当たり、こんどは辛勝。これはうれしい。今日は2人で3勝。 #内藤祐希 #佐藤久真莉

 シングルス一回戦の相手、同い年のサダ・ナヒマナはちょっと油断できないぞと思っていただけに、きっちり、6-2 6-2のスコアで斥けられたことがすばらしい。
で、「 2人で3勝」のうちのひとつ、佐藤久真莉のシングルスはブルガリアの 25歳と当たり、これにストレートで勝ったのだが、その第1セットは 0-4とリードされたところから盛り返して 7-5、第2セットも 1-4とされてからの 5ゲーム連取で 6-4なのだった。
「そういえば久真莉ちゃん、なんかこういう展開多くないっけ?」とふと思い、そのスコアから〈猪木的なるもの〉を感じてしまったわたしはふたたびテニスファンからプロレスばかに戻っているので以降は読み流してもらえるとうれしいけれど、つまり彼女の場合、多くは〈 16歳の若さで年上/格上の相手に挑む〉構図の試合で、「でも、格上といってもこのクラスの相手だったらひょっとしたら」という期待をその資質とキャリアが抱かせるわけだが、その淡い期待を裏切って試合は「そっかー、こうなるかー、これが順当かー」というスタートを切る。あるいは第1セットを先取しても第2セットはふたたび相手の先行を許し、「そっかー、まあ反撃を食らうよなー」とファンの心理をふりだしに戻す。そうして途中まで相手選手の〈強さ〉を充分にわれわれに感じさせたところで、いよいよ、満を持しての追い上げを見せるのであり、それって、そう、みごとに猪木のあれ──相手が 5の力だったら、それを 7にも 8にも見せて、自分は 10の力で勝つ2]──ではないのか。

2:相手が 5の力だったら、それを 7にも 8にも見せて、自分は 10の力で勝つ

これ、「 10」以外の数字はうろおぼえ。いちおう「出典」にあたろうと、古舘伊知郎の実況するいくつかの試合を見てみたが探し当てられなかった。あと、ネットを見ているとこの闘いぶりのことを指して「風車の理論」と呼んでいる向きがわりとあるが、「風車の理論」はまたべつの話だと思う。

12. Feb 2019, 18:00
Ended   after 1h 17m
1st set 2nd set 3rd set 4th set 5th set
2
6
2
6



0h 41m 0h 36m
12. Feb 2019, 22:35
Ended   after 1h 36m
1st set 2nd set 3rd set 4th set 5th set
2
6
7
5
9
11


0h 32m 0h 47m 0h 17m
本日の参照画像
(2019年2月21日 10:53)

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