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May.
2006
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/ 29 May. 2006 (Mon.) 「Web標準なるもの」

そうだ、笠木さんが、

そんなわけで相馬くんの風邪が治ったらオールツーステップスクールのHPを作ってもらうため家にお邪魔しよう。
リハビリ|aplacetodie/alltwostepschool2006

 と書いてくれていて、それに応えるのを忘れていた。風邪はもう治ってます。もう咳も出ない。「咳のようなもの」は出るが、そんなものは咳ではない。「咳かと見まがうばかりのもの」もたまには出るけれども、けっして咳ではないし、私なら大丈夫だ。「これを咳と呼ばずして何を咳と呼べばいいのかという、音で言えば『げほっ』というようなもの」だって喉を突いて出ることはあるものの、くりかえすが、断じて「咳」ではない。
話は変わって「Web標準」だけれども、宮沢さんの「富士日記2」が先日、俗に言う「テーブルレイアウト」をやめて、XHTML + CSS によるデザインに変わった。

それはそうと、ほとんど気がつかないと思うが、この「富士日記2」のデザインを大幅に変更したのである。一から(というと語弊があるが)書き直した。
富士日記2 - 5月13日付)

 というその作業が、(外見上の変化のなさの、その裏側では)じっさいに大幅な変更作業であるというのは、まあ、ソースを見ればよくわかる。稽古、原稿、授業と、日記から推し量るかぎりではおそろしく多忙な日々のなか、いったい何をはじめちゃったんだこの人は、ということではある。人のことは言えない私だが。ちなみに先日、『モーターサイクル・ドン・キホーテ』を観た日の終演後のロビーで、私と目の合った宮沢さんがまず発したのが「どう?あれ」ということだった。聞いてみるとほんとうに自身でコードを書き替えたらしい。
「Web標準」というのは、ごくおおざっぱに説明すれば、「HTMLを使って視覚的なデザインをしない」ということである。HTMLはそもそも、文書の論理構造──たとえば、これがタイトルで、これが中見出し、これは小見出しで、ここが本文、これは引用箇所で、ここを強調、といったようなもの──を記述するために作られた言語であり、それを用いて見た目のデザインをするためのものではない。デザイン──では、「小見出し」として指定された要素はどのように表示させるか、等──を担うのはスタイルシート(CSS)というやつで、両者の役割ははっきりと分けなければいけない。HTML文書が完全に論理構造のみを記述していれば、仮にデザイン要素を排して文書それ自体にアクセスしたとしても──そして誰がどう(どういったブラウザで)アクセスしたとしても、文書は文書として理解可能な状態でユーザーに手渡されることになる。また、スタイルシートは用途に応じて複数割り当てることができる。「パソコンのモニタで見るユーザーのためのスタイルシート」「紙にプリントアウトして読むユーザーのためのスタイルシート」「音声ブラウザで聞くユーザーのためのスタイルシート」といったような具合で、その場合も、文書そのものは同じものが1コあればよく、用途ごとにスタイルシートのほうを切り替えればよい──くりかえしになるが、それは文書とデザインとが分離されているからこそ可能である
というわけで、上記のようにHTMLとスタイルシートというのはひとつのセットとして構想された規格なのだが、じっさいの歴史としては、スタイルシートの規格(および、ブラウザ側のそれへの対応)が整う前に、先にHTMLだけが世に出てしまったわけである。ほんとうはHTMLでデザインしちゃいけないんだけど、使えるものはHTMLしかない、というのが、ブラウザで言えば Netscape 4 や IE 4 ぐらいまでの状態で、それ、振り返ってみれば数年ぐらいのことなんだけど、でも長かったのだ(前述のような認識/見通しがはっきり共有されていたわけでもないし)。そうしてウェブデザインの先人たちはその間、「HTMLでデザインする技術」を研鑽することになる──そのもっとも代表的で卓抜な例が、本来は表組みを作るためのものである <table> タグでページのレイアウトをする「テーブルレイアウト」である(まさしくブリコラージュ!)。また、スタイルシートがない時代にも、ブラウザは「(ブラウザの指定する)デフォルトのスタイルシート」とでも呼ぶべき表示のルールをもっていて、たとえば <p>(意味段落)ならば上下に1行分の空きをとる、 <blockquote>(引用ブロック)ならば左右にインデントを入れる、というように表示したから、その本末が転倒して「一行空き改行させるのが <p> 」「左右にインデントを入れるのが <blockquote> 」といった誤解も生まれた。
時は流れて、いまは大半のブラウザがスタイルシートを(少なくともそれなりには)解釈できるようになり、前々段で説明したような「理想」にのっとってページを作ることが可能になった。それが、「Web標準」である。とはいえ、スタイルシートへの対応具合はブラウザによってまちまちなところもあり、プログラムには付き物の「バグ」もある。ちなみにいま、メジャーブラウザーのなかでもっとも対応が遅れ、バグが多く、加えていわゆる「独自仕様」が多いのが IE 6 であり、もうじき登場する予定の「IE 7」でそうした弱点のいくつかが克服される予定ではあるものの、まだちょっと手放しでは期待できない。

Web標準だというがこんなに表示にちがいが出ると、ほんとうに標準なのかよくわからない。
同上

 という宮沢さんの愚痴は、そうした事情に由来する。
さて、宮沢さんの書いたソースだけれど、ちょっと強引なところ(バックナンバーへ移動するためのカレンダー部分とか)も見受けられ、まだまだ改良の余地はあって、ここはひとつ「添削」したHTMLとスタイルシートとを作って送ろうかとこないだから思っているのだが、なかなか手を付けられずにいるのだった。

(2006年5月30日 20:14)

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