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Jul.
2007
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/ 28 Jul. 2007 (Sat.) 「同窓会」

立川では今夜、国営昭和記念公園の花火大会だったが、それを目指して早い時間からぞくぞくと押し寄せる人の波に逆らい、夕方新宿方面へむかったのは例の7月4日の日記に少し書いた)、成城大学「石原千秋ゼミナール」同窓会があったためだ。
同窓会といっても同期の一学年が集まるのではなく、石原先生が成城大学に在籍した十年間の全ゼミ生に呼びかけたもの。頼りとする大学の名簿の限界(最新の住所を把握しきれていない可能性等)はあるだろうからほんとうに全員に呼びかけられたかはわからないが、石原先生曰く十年間でゼミ生はおよそ百二十名ほど、そのうちの四十名弱が集まった。私や吉沼は、その十年間のだいたい真ん中ぐらいに位置している。
えーと、ちょっとこまかく説明しておこうか。吉沼と私は同い年だが、私は現役合格、吉沼は一浪ののち入学して、出会ったはじめは私のほうが一学年上だった。で、私は結局大学に六年いて、吉沼は四年の〈スピード卒業〉だったから、途中で学年が同じになり、吉沼のほうが一年早く卒業している。というわけで私は、吉沼よりも多めに、前後一、二年ずつぐらいにわたって知った顔のゼミ生がいるわけだが、わけてもいちばん馴染みがあるのが吉沼たちの学年ということになる。卒論(「ジャンル、語る──二葉亭四迷『平凡』」)も吉沼たちと同じ年に書いて、卒論はOKをもらったが(何だったっけなあ、たしか「優」の部類)、全体の単位数が足りずにもう一年大学にいた。
その吉沼と新宿駅の西口で待ち合わせて、いっしょに会場へ向かう。前述のとおり全期間のゼミ生を対象とした同窓会だから、石原ゼミの卒業生という共通項でつながるとはいえ大半は見知らぬ先輩・後輩なわけで、不意にそのなかに投げ込まれて関係性をもたなければならなくなるという状況に対して、吉沼は会場へ向かう道すがら、「寺山修司の実験演劇で、劇団員がいきなり見知らぬ家庭を訪問して『ここに住まわせてください』って言い出す、あれみたいなもんだよね」とそれこそいきなりな譬えを持ち出していた。
「行ってみたらみんなそれぞれレジュメを配っているかもしれない。何も用意していないがどうしよう」とか、「遅刻したら中に入れてもらえないんじゃないか」といった冗談を言いながら定時に会場に着くと、わりとまだ人がまばらで、その後徐々に集まってくるのを待つ恰好になる。結局、知った顔では、オリジナルの私の学年が女性二名、その下の吉沼の学年が吉沼のほかに女性四名、その一学年下がたぶん誰も来てなくて、二学年下で顔がわかるのが女性二名だった。大学の同窓で卒業後も交流があるのは吉沼だけなので、あとはみんな卒業以来ということになる。
石原先生には開口一番「おまえブログに変なこと書いてんじゃないよ」とにこやかに言われ、「おっ!?」と思ったが、それはこの同窓会の通知のことを書いた7月4日の日記のことだった様子。研究に行き詰まると、ときおり「石原千秋」でネット検索をしているらしい。こりゃ滅多なことは書けないね。ってこんなことを書いてる時点で次にまた叱られるんだろうけど。
今日もまたそのようにしていわば「怒られた」わけだが、同窓生たちによれば「相馬さんていうと、しょっちゅう怒られてた印象が強い」そうで、そうかなあと自分では思うものの、「それでいて、相馬さん自身は怒られてもわりと何食わぬ顔をしてる感じだった」とも言うから、ああ、ならそうだったんだろう。そう映っていたか。
ところで同窓生のKさん(ってあとで出てくるように「カシマさん」なんだけど、漢字がわからなくなってしまったのだ。たしか「加島」だったと思うんだけど間違ってたら申し訳ない)が、「かしま ゆう」という名前で数年前に第一句集『Tシャツ』を自費出版していることが会も半ばを過ぎてから判明、すかさず応えて「そういうことは早く言ってよ!」と返すSさんの、どういうことが「そういうこと」なのかを考えさせない勢いに「ああ、変わらないなあ」と思ったりしたことはともかくも、かしまゆうの『Tシャツ』はたとえば楽天ブックスを経由して買うことができるらしい。門外漢でよくわからないが、第4回ヘップバーン新人賞というやつを受賞し、出版に至ったのだという。「ヘップバーン」は「オードリー・ヘップバーン」の「ヘップバーン」だろうか。名前を冠するくらいだからオードリーが審査委員長を務めるのかもしれない。日本語読めるんだろうか。というか、死んでるんじゃないのか。日本語の読める女流俳人がオードリーの霊を降ろし、それで「This」とか言って選んでいるのだとすれば、われわれはヘップバーン新人賞の権威をどう考えればいいのかよくわからないことになるが、まちがいなくそんなことはないから大丈夫だ。いやほんと、かしまさん、ごめん。
『Tシャツ』は帰ってすぐ楽天ブックスで注文した。「読んでもらえるんなら送りますよ」と言ってくれたのだったが、まあ、こっそり注文だ。読んでなにがしか感想を送れればと思うが、いや、そういえば俺、こっそりしすぎてかしまさんの連絡先を何も知らないんじゃないのか。どう送るってんだ。それこそ、「かしまゆう」で検索してここを見つけてくれることを願ってやまない私がいまここにいる。

(2007年7月30日 19:11)

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