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Jan.
2008
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/ 7 Jan. 2008 (Mon.) 「ついに観音寺城を落とした」

古井由吉『白暗淵』(講談社)。

INFOBAR 2(ウォームグレイ)。下も。

ひょっとしてこれは今年、一日も欠かさず日記を付けることになるのではないかと、3日の日記をアップしたときには軽はずみな想像も頭に描いていたけれど、まったく美しいくらいの三日坊主である。けっして忙しくしていたわけではなかった。比較的のんびりとした、無為を味わう余裕のある正月だった。
気のせいだと言われればそれまでだけれど、三が日の日記の文章は、古井由吉の新刊『白暗淵(しろわだ)に影響を受けている。一文から一文へ、言葉から言葉へ、そのつどようやく渡っていく苦労は前と変わらないくせに、それでも出てきた言葉の強ばりは強ばりとして受け入れて、じっさいかかっている時間のことも忘れ、足取りだけはずんずんと進んでいるような、ひょっとしてこれならいくらでも書けるのではないかというような心持ちの、その気楽さが肚にあった。
『白暗淵』はいい。ただの短篇集とも異なり、また長篇とも異なる「連作短篇」という(近作ではおなじみの)手法の生む、その、もはや結構とも呼べないようなゆるく危うい結構の広がりを味わう意味でも、せっかくなら一気にとおして読むのが好ましいのかもしれないけれど、ついちびちびと読むことになり、なかほどにある表題作「白暗淵」まで漕ぎつけたが、その表題作がまたものすごくいい。

そしてある夜、虫の動きをまた目で追いながら、こんなことがいつまで続く、と訴えるうちに、女教師と目を見交わしたまま、どんな境を越えたのか、唇を寄せ合っていた。

 ま、ここだけ引用しても「どんな境を越えたのか、唇を寄せ合っていた」の衝撃は伝わりづらいかと思いますが、こりゃあね、「くはー」となりますよ。
というわけで結論から言うと、auの「INFOBAR 2」を買ったのだった。ちょっと au design project の手のひらで踊らされるようにころころと機種を換えすぎではないかと内省する面がないではないが、そこは新春を慶ぶ気持ちのほうがまさった。正月に帰省した折り、次兄が買った「ミドリ」のそれを見せてもらったのがはじめて見る実物で、前にこんな文章を書いたこともあるようにウェブやテレビCMで見かける写真の印象から「好きではないな」と判断したきり、まったく興味を向けていなかったものの、これ、肉眼で見るとずいぶん印象が異なり、その丸みもわりと好ましいのだった(でも「シルバー」はやっぱり選択肢に入らないけど)。4日に買い、今日はじめて電話をかけて耳にあてたが、その耳へのあたり方がまた心地よくもある。けれどヴァイブレーションの動きはするどい。マナーモードにしてはするどすぎやしないだろうかという音がする。前機種の「MEDIA SKIN」の場合、擬音にすればつまり「む」に濁音がついたような音が伸びていたのだが、これは「ヴィーン」と唸りをたてていて、携帯電話もいろいろである。ま、これでしばし、「iPhoneにすぐに飛びつく」というようなことへの抑止力にはなるだろうか。
というわけで前提からまず話をさせていただくと、『信長の野望DS』も買ってしまった。現在「本願寺家(本願寺証如)」でプレイ中。べつに最近出たばかりというようなソフトでもなく、なぜ買ってしまったかとこれこそいぶかるが、やっぱり新玉の春ってやつのなせる業か。上京したての大学時代、はじめて Macintosh(LC575)を買ったばかりのころにMac版のそれ(いま調べたけど『信長の野望・天翔記』)を買い、ずいぶんと無為な時間を費やしてしまって以来になる。あれももう十年以上前のことになる。

本日の参照画像
(2008年1月 8日 16:53)

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