7
Jul.
2008
Yellow

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/ 6 Jul. 2008 (Sun.) 「六月のなごりとともに」

七月である。田中夢がそのブログに、

[チェリーブロッサムハイスクールの舞台を観たあと──引用者]知っている人に会うのが恥ずかしいほど、どうでもいい格好でぼんやりしていたからさっさと帰った。メールチェックしたら「もっと君の作品が見たい」と友達からあったのと、役者さんの熱気がまだ体にまとわりついたのでドキドキしていたけど、外に出たら暗いしっとりした空気だったのでどうにかして拭ってくれないかと伊勢丹前を跳ぶように走った。

季節はこんな時期がいい。
初夏。: 田中夢のメンペモ

と書く七月だ(「季節はこんな時期がいい」は、『ニュータウン入口』で田中さんが演じた「オブシディアン」のセリフ)。さらにその前日の記事には、「掌七つくらいの大きな葉。朝日を浴びて」とちぎれた短歌のような(「掌」を「たなごころ」と読ませればちょうど五七五七である)言葉が添えられた、うっすらとそれもまた詩のようなスナップを載せ、

気が付いたら7月になっていた。夏のような陽射し。木々の葉が水をたっぷり含んで繁ってゆく。
七月。: 田中夢のメンペモ

と書く田中夢だが、ちょうどこの日、用事があって昼すぎに電話したら寝ていたらしく、長い長い呼び出し音のあとに「寝てた」の第一声ではじまる、ひどくぼんやりとした会話を交わしたのが私で、だからその数時間後に更新されたそれを読み、思わず「何言ってやがんでい」と笑ったとか笑わなかったとか。
というわけで、六月の終わりからの記録を。あ、その前にまずは前回(6月24日)の日記の訂正とお詫び。古今亭志ん五師匠が先の独演会でネタ下ろししたという噺を「宿屋の富」と書いてアップしてましたが、これはまったくうっかりで「宿屋の仇討」の間違い(「宿屋の富」は以前から演ってます)。失礼しました。

6月27日(金)
 家の無線LANの構成を変更/整理する。新たに買ったのはTime Capsule(802.11n)で、これといままでのAirMac Extreme(802.11g)を組み合わせつつ、802.11nの恩恵をなるべく受けようという作戦である。で、たしかに快適なのだった。この件の詳しいことはこちらの記事[Time Capsuleと旧AirMac Extremeでデュアルバンド802.11nと802.11gとの両立]に書いた。

6月28日(土)
 昼、柴田(雄平)君が主宰するチェリーブロッサムハイスクールの第四回公演『その夏、13月』。チェリーブロッサムハイスクールは第一回公演『酸素』以来で二度目。あいだの二作品を見逃しているわけだが、その志向性のようなものにおいて『酸素』から一貫、ぶれのない作と演出を重ねていると感じる。空想科学ポップ。というのはいま、たまたまぽんと出てきた言葉だからちょっと無闇無鉄砲な謂いだが、うーん、そんな感じかな。空想土着ポップか。「科学」と「土着」が入れ替え可能なところがさすが万博世代(「つくば」だけど)でウルトラ世代(「80」だけど)。って、なんだかわからないけど。舞台上のみどころもまた私にとってはその作と演出のふたりで、演出を兼ねるという事情からかいわば「ちょい役」に近い柴田君だが、しかし役者としての彼の居ずまいが私と舞台とをつなぎ留めてくれるのもたしかなのだし、また、他の登場人物からは物語上でただひとりの「ふつうのひと」とされ登場する小栗剛君(作も担当)が、しかし見るからにいちばんふつうでないのもたしかだ。上演台本も買ったことだしもっと念入りな感想を書きたい思いもあるが、まあ、それはまたあとで。
 夜は、プリセタの第十回記念公演『ランナウェイ』。終演後、みんなと飲む。『125日間彷徨』に出ていた細江(祐子)さんも観に来ていて、その席ではもっぱら彼女としゃべっていた。『125日間彷徨』の感想を書いた日記に「細江祐子すげえかわいい」と書いたことでひどくよろこばれる。あの長い長い、われながら周到な文章のなかで「結局そこかよ」という気がしないでもないが、ま、そりゃそうか。で、私は、そのとき読んでいた『構造主義のパラドクス野生の形而上学のために』など持ち出し、「〈一〉者へと回収される二元論ではなく、そもそものはじめから〈二〉者であり、どこまでも〈二〉を保持しつづける二項対立を」といったことをいっしょうけんめい説明していた。いかがなものかと思う。

6月29日(日)
 吉祥寺で田中夢と会い、『不思議の国とアリス』の字幕翻訳に関する打ち合わせ。話はいつしかパソコン購入相談へと展開するのだったが、なかなか現実味を帯びるにはいたらない。終わっていっしょにヨドバシカメラへ行ったのはパソコンではなく、DVDプレーヤーを買わせるため(つい先日までは同居していた弟のプレステでDVDが再生できていたが、弟が引っ越したためDVDの見られない生活に戻っていた)。田中夢、まんまと購入。

7月3日(木)
 何かあったはずだが思い出せないので数日飛ばす。
 この日は「ロト6」ってやつを買ったのだった。みずほ銀行のATMで購入できることを知り、数字は機械に決めさせて、5口・1,000円分を買う。買ったのが夕方、そのあとで気づいたがロト6は「毎週木曜日抽選」で、ほどなくその週の抽選があり、数時間後にはウェブ上に当選番号が出ていた。見ると「5等」が当選(6つの数字のうち3つが合致)していて、「5等」の賞金は1,000円である。なんだこの充足した気分は。
 「夏句会」をやろうかとふと思う。8月か9月だ。友人で、われわれの「句会」の共同主宰者である吉沼にメールをし、そのなかで「何も考えずに言うけど、海でやろうか」と書いたところ、「おっいいねー」とのってくる吉沼だ。「ただ、句会の最中は泳ぎとか禁止にしないと駄目だと思う」と吉沼。ま、それはともかく、今回は田中夢や細江さんなども誘ってみよう。3日から4日へかけては会社に泊まる。

7月4日(金)
 あれ以来ひきつづき、田中夢にパソコンとネット環境をもたせようと画策する私で、なるべく話を具体化し、事態の展開をうながそうということから彼女にはまず先にインターネット回線のことを考えさせていた。はじめ「電話はある」と言っていたのでそれを素直に受け取り、適当なADSLサービス(イーモバイルのそれとか)を見繕って費用の試算など伝えていたが、導入する方向で意志が固まりかかり、では念のためサービス提供エリアであるかどうかを調べようと家の電話番号をたずねたところ、「番号はわからないので大家さんに訊いてみる」と答えが返ってきた。自分で固定電話をもったことがない田中夢は「電話加入権」とか、そのへんの仕組みを理解しておらず、部屋にモジュラージャックがあることをもって「電話はある」と言っていたのだった。あわてて作戦を組み直す。

7月5日(土)
 午後、早稲田大学へ。「表象文化論学会第3回大会」なるものがあり、その第一部のシンポジウムに古井由吉さんが出るというので行く。吉沼も来ていて、いっしょに聴く。第二部として川上未映子さんらによるライブもあるせいか、あやうく入場できないほどの入りだった。第一部が終わって吉沼と立ち話をしていると、たまさか白水社のWさんに会う。その後、吉沼とまた「句会」の相談などしていたが、私はかなり上の空になっていて、吉沼を残し第一部だけで帰る。
 家の台所には大きめのゴキブリが一匹姿を見せ、妻はにわかにどんよりする。

7月6日(日)
 午後、病院に見舞いへ。家でどんよりしている妻のため、土産に『セクシーボイスアンドロボ』のDVDボックスなど買って帰る。きのう今日と暑い。

(2008年7月 7日 17:00)

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