/ 7 Dec. 2012 (Fri.) 「『スカイフォール』を観る」
- 22:40
- まさか泣かされるとは思わなかった。ボンドカーが登場したあの瞬間、涙が溢れるのを止められなかった。とにかく50周年記念映画。あと、たぶんみんなはそう思わないかもしれないけど、あのくだらない、ムーア・ボンドが帰ってきたというような、なんかそんな感触。よかったです。『スカイフォール』。
- 23:20
- いや、タイトル・シークエンスにあのドクロと、鏡のあれが出てきたときに、あら? あらら? とは思ったんですけどね。墓石のとこはなんとなくゴールデンアイっぽかったし(これは考えすぎ?)。で、それらオマージュが示す気負いっぷりが『女王陛下』のタイトル・シークエンスを想起させたりもして。
- 23:43
- ま、ぼくができるネタバレはせいぜいこれくらいのもんです。あと、もうひとことだけ添えるなら、「そういや似てた」ってことかな。
■というわけで夜、立川の映画館で『スカイフォール』を観る。上にあるのが鑑賞後すぐのツイートだけれども、泣いたというのはほんとうの話だ。涙があふれた。(いま、打ち間違えて「阿弥陀があふれた」と画面に出たが、感情の説明としてはあながち間違いでないような気もする。)
■誤解がありそうな気もするのであらためて説明しておくと、泣いたのは結末の部分ではなく中盤。テニスンの詩の朗読に相当ぐっときているところへもってきての、ボンドカー登場に涙が堰を切った──全体を見渡してもいちばんのクライマックスはあそこだろう。あそこで、あのボンドカーですべてが〈説明〉され、以降はもうストーリーとかどうでもよくなるのだった──。もういい、泣こうという気にさせられてそこからはしばし滂沱。いや、あそこに出てきたボンドカーの車種がナニで、といったことについてわたしはそらで言うことができない者だし(あ、「アストン・マーチンDB5」ですね、はい。検索しました)、そういうファンではないつもりだったけれども、そうかあ、こんなにファンだったのかわたしはと驚かされた。
■泣かされるとはなあ。滂沱だったもんなあ。
■タイトル・シークエンスに出てくるドクロ(=『死ぬのは奴らだ』)と鏡への発砲(=『黄金銃を持つ男』)で「おやおやおや?」と思っていたとおりの、シリーズ 50周年記念映画。また、同じくタイトル・シークエンスの垂直に落ちてくる銃とナイフは、ま、これは、そのレベルの類似を言い出したらきりがないよという話だけれど、ハンマー(ソ連国旗のあれ)が垂直に落ちてくる『ゴールデンアイ』のタイトル・シークエンスを思い出させもし、それらいくつものオマージュが示す〈タイトル・シークエンスの気負いっぷり〉自体が、こんどは『女王陛下の007』のタイトル・シークエンス──コネリー=ボンドによる過去 5作品のシーンの断片をストレートに引用して、主演交代への気負いっぷりを見せた──を思い起こさせるという案配で、つまり書いていて(/お読みになっていて)わかるとおり、それらの〈読解〉をとおして勝手に気負っているのはむしろ観ているわたしである。こんな話を長々と申し訳ないかぎりだ。
■一般に「ハード(・ボイルド)」な作風と言われるクレイグ=ボンドだけれど、たとえば冒頭、あれほどのアクション・シーンでありながらもどこか「緊迫しきら(せ)ない」テンポが感じられた今作は、それがどこかムーア=ボンドのテンポを思わせてかえってウキウキし、つまり今作は一面において、こうした(往年のデザインの)ポスターこそが似合う映画でもあった。その意味で、ロジャー・ムーアが今作を「シリーズでベストの作品」と評したという話はなかなかに合点のいくところである。
7作の007映画に出演した3代目ジェームズ・ボンドのロジャー・ムーア著『BOND ON BOND』の日本語訳本『BOND ON BOND 007アルティメイトブック』が P-Vine Books から12月1日に発売されます。3007部の限定生産とのことです。
この本のプロモーションでロジャー・ムーアは米NBCの『TODAY』に出演し、最新作『007/スカイフォール』を007シリーズでベストの作品と評価。執筆を終える前に『007/スカイフォール』を観て、同作のチャプターを付け加えられたらよかったと発言しています。
ロジャー・ムーア著『BOND ON BOND 007アルティメイトブック』12月1日国内発売 : ジェームズ・ボンド 007ニュース
■というわけでここまで結末部分のネタバレには踏み込まずに書いてきたけれど、だからまあ、あのラストシーンを堪能し、こりゃ次作、クレイグ=ボンドはついに堂々と「スペクター」と戦う──もしくは、次作においていよいよ「スペクターの誕生」が描かれる──のではないかと期待するところのわたしである。
■本日(7日)の電力自給率:42.9%(発電量:11.9kWh/消費量:27.7kWh)。
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