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Dec.
2013
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/ 7 Dec. 2013 (Sat.) 「石原君は炊飯器を買った」

これがその炊飯器。「米がないんだよね」という石原君がこのダンボールを解く日は、はたしてくるのか。

きょうも池袋。まず 12時からチェルフィッチュ『現在地』。ちょっと早めに着いてしまい、受付のところにいた黄木(多美子)さんと少し無駄話。例の『ヒネミの商人』のチラシについて、「だめですよあんなの作っちゃ」とお小言をもらう。というのは、チラシの配布手段の大半を占めるものとしての他公演への「折り込み(挟み込み)」というものがあり、まあ、一部は手折り込みといって自分たちでその公演の場へ出向き、手作業で折り込むという場合もあるものの、多くは「折り込み代行業者」に頼むのが常で、その最大手が「Next」という会社だけれど、そこではもちろん専用の機械が用いられ、その機械で折り込めることを前提に一枚いくらという費用単価が設定されている。でまあ、形状が特殊だったり折りが複雑だったりしてその機械に通らないということになると、当然追加料金を取られて費用がぐんと跳ね上がるから、「機械に通るか、通らないか」は舞台制作という立場からするとたいへんなおおごとなのである。でもってわたしの作った『ヒネミの商人』のチラシは、控えめに言っても「あまり一般的ではない体裁」となっており、そのいわゆる〈機械問題〉は心配事のひとつだった。で、黄木さん曰く、われわれのチラシはその Nextの機械を「ぎりっぎりで通った」とのこと。念を入れて「ぎりっぎり?」と確認すると、「ぎりっぎりです」と黄木さんも力を込める。よかった。ほんとうによかった。通ったのなら何よりだ。すべての努力が報われた思いである。
『現在地』は 2012年の KAATでの初演も観ている。そのときの日記が(ごく短いけど)これで、読むとそこでもわたしは黄木さんを登場させていた。大好きなのかよ。ま、大好きですけどね。
東京芸術劇場内を地下 1階から 2階に移動して、15時からバック・トゥ・バック・シアター『ガネーシャ VS. 第三帝国』。一週間ぐらい前に予約したのだけど、ほんとタイトルと宣材写真だけから選んだままで予習ほぼゼロ、「知的障害を持つ俳優たちと共に創作を続ける彼らが、インドの神ガネーシャの冒険譚とそれを上演する劇団内でのいざこざを併行させて描」いた作品だということさえすんでのところで知ったような案配で受付をくぐり、ただわくわくして座席に着いたのだったけれど、よかった。とてもよかった。
その後、島(周平)君と落ち合ってすっかり日も落ちた池袋の街へ、というか適当な食事場所をさがして無駄に歩き回ったあげく、東武百貨店のレストランフロアに入っている「和幸」へ。カキ・ヒレカツ定食で、キャベツ・ごはんとも二回おかわり。わたしは若者か。島君の近況など聞き、あとドラクエの話なんかしてけっこう和幸に長居する。
和幸を出、ふたりで向かったのは石原(裕也)君の家だ。オートロックも完備したたいへんいいマンションの一室なのだが、中はきったない。いや、わたしも「そっち側」の人間なのでべつにかまやしないのだが、描写するなら「きったない」。
「いやー、ぼくがもし相馬さんみたいに日記を書いていたら、きょう書くのはこの炊飯器のことですよ」と石原君は、床の、まだダンボールも解かれていない炊飯器を指さす。一年ほど前、シティボーイズのきたろうさんがラジオで「いい炊飯器を買って人生が変わったよ」と言っていたのを聞いて購入欲が湧き、以来ネットで各社商品の入念なスペック比較をつづけてきたさきに辿り着いた「タイガー圧力 IH炊飯ジャー 炊きたて」を、きょう、ついに電気屋で購入したという石原君はやや興奮気味に、「電気屋での、値切り交渉っていうんですか、あれ楽しいですね」とも言うが、それを受けて島君が話し出した、自身の電気屋でのバイト経験をもとにした値切りのためのノウハウがすごかった。エピソードを聞くに父親がまずたいへん強引な値切り師であるらしい島君の、その血筋というものもときおり感じさせる話しぶりと、そして情報量に、話題をふったはずの石原君は「へえー、そうなんだ」としか相槌を返さなくなって、最終的には「いや、ぼくなんか結局ね、店員さんの掌の上ですよ」と総括するのだった。
終電間際までしゃべってわたしは退出。島君は残ってそこに泊まり、早朝にふたりで出かけて築地でうまいものを食うというかねてよりの計画らしいが、ぜったいに寝過ごすと思う。

本日の参照画像
(2013年12月11日 17:21)

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