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Apr.
2014
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/ 24 Apr. 2014 (Thu.) 「正蔵戦中日記」

『八代目正蔵戦中日記』(青蛙房)

昼、国立劇場の自動券売機で予約してあったチケットを受け取る。先々の落語の公演が四つ。永田町の国立劇場(隣接する国立演芸場も)は会社から歩いてものの 10分である。
その帰りに半蔵門の駅前にある山下書店へ寄ると、最近出たらしい『八代目正蔵戦中日記』(青蛙房)なる本が平積みになっていて、ついつい買ってしまった。「ぼくは女に弱い」というような場合の「弱い」でもって、正蔵には弱いわたしだ。書名のとおりで、1941年12月〜 1945年8月、正蔵(当時はまだ 5代目蝶花楼馬楽)46歳〜 50歳までの日記。正蔵の日記自体はおそらくもっと長い期間書き継がれたものが残されていると思われ、今回、本にするにあたって「戦中日記」という枠で区切ってその一部を書籍化したのだと思うが、なんだったら残っている全部の日記がほしいくらいだ。
たとえば、

 江戸舘の割、三百五十にあげた。これは良心的な私の生活の現はれなのだから誇示すべき事ではない。この美点を他の欠点を是正しつつ生成させなければならないのである。
昭和十七年三月二日(月)

とか、寄席の割1]をこさえている記述がよく出てきて、それがなんだか楽しい。「江戸舘」は当時浅草にあったという寄席。寄席の数がとにかくたくさんある。「三百五十」の単位はたぶん「人」だと思うがじっさいどうなのか、「あげた」というのはトリである正蔵が多少お金を足してキリのいいところまで数を上げたということなのか、こまかなところの事情や勝手まではちょっとよくわからない。

1:割

ワリ。寄席の給金のこと。演者の格や番組内の出番に応じて設定される「演者ごとの、客一人あたりの給金」×「有料入場者数」で算出される。かつては、その興行でトリを務める演者がこれをとりまとめ、各演者に渡す割を拵えていた。志ん朝口演の「今戸の狐」を聞くと、そのへんの事情がわかりやすい。

山下書店はそのフロア面積のわりに落語関係の書籍が一定量揃っている──落語を含めた古典芸能関係の書籍がひと棚ぶんだけ陣取っている──のだが、「あっ、そうか、国立劇場が近いからか」という何のひねりもないことに今日になって気づいたのだった。
本日( 24日)の電力自給率:92.1%(発電量:18.8kWh/消費量:20.4kWh)

Walked 6.7km • 9,377 steps • 1hr 33min • 319kcal.
Cycled 1.7km • 8min • 36kcal.
本日の参照画像
(2014年4月29日 22:30)

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