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May.
2017
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/ 6 May. 2017 (Sat.) 「魚力(うおりき) / 行き着くところはチェビー・チェイス」

肩乗りロビン。2010年11月。

「マリオカート8 デラックス」( Nintendo Switch)

わたしの御用達、ルドウィッグ。

『 03 TOKYO Calling』1990年5月号(通巻 6号目)の表紙。モデルは前田日明。

『 03』の文化欄、「 03'S CLIPBOARD」のコーナーに取り上げられた「チェヴィー・チェイス」。執筆は宮沢章夫。

6:04
日記を更新。4日付「Live from New York, it's Saturday Night!」

そういえば書いていなかったと思うが、わが家、Nintendo Switchは導入済みである。ゼルダはとうに(妻が)クリアしている。

@keusmy: À 39 ans Macron a fait : banquier, ministre de l'économie et maintenant Président
J'ai le même âge et j'ai même pas fini Zelda 〔引用者訳:マクロンの 39年間といえば銀行家から経済相を経て、いまや大統領。かたや俺、同い年。ゼルダさえ終わってないときた。〕

#Louvre
#VDM
2017年5月8日 6:47

てなわけで、この彼には勝っていると言えるわれわれだ。ま、われわれのが歳も上だけれども。
で、「マリオカート8 デラックス」がきのう届いて、いまはそれをちょびちょびやっているところ。わたしの使用キャラクターは「ルドウィッグ」。風情が飼い猫のピーに似ているというのがおもな選抜理由である。なお、マリオカートの元世界王者による攻略アドバイスがこちらにあるが、目下、ここに挙げられているような戦略性とはまったく無縁のところで遊んでいるわれわれだ。
きのうの文章ではトトロ役を担ってもらったロビンだが、かねてよりわれわれのなかでは、猫バスにもそのイメージが重ね合わされてきた。イメージのなかでは相当な大きさであるロビンが、お腹の横をぐわーんと開け、あとの二匹を中に乗せる。すると額の行き先表示が回転をはじめて、そこそこもったいぶったすえに出るのは「魚力(うおりき)(ルミネ立川の地下に入っている魚屋)だ。だいたい、自分の行きたいところにしか行ってくれないと言い伝えられるロビンである。

4日付の日記を更新したあともしばらく、「サタデー・ナイト・ライブ」(以下、SNL)の映像を YouTubeで漁っていたのだが、けっきょく、行き着くところはチェビー・チェイスのフォード大統領ネタだったりもする。あれはしかし、なぜ面白いんだろうか。
この、「不器用なひと」というジェラルド・フォード大統領のパブリックイメージについては、いったい卵=フォードが先か、ニワトリ=チェビー・チェイスが先かってなくらいのものなんだとおぼしいが、それでもいちおう〈出典〉たる映像はあって、外遊先のオーストリアの空港で、大統領専用機のタラップから足を滑らせて転げ落ちた(のが中継され、全米のお茶の間に流れた)この動画がそれ。

 これを見て、「上手いなあ」と思ってしまうくらいにはニワトリが先なのだけれど、しかしだいたいが、これ「だけ」──他にも不器用エピソードはあるらしいが、にしても「不器用」というその一点だけ──をひたすら引き延ばし、誇張するチェビー・チェイスの大統領ネタは、これ以降生み出されることになる歴代の大統領ネタとはちょっと一線を画すような特異なモノマネというか、そもそも似せようとする気があるのかも疑わしいような何か1]であるように思えてくる。以降の SNLの大統領/政治家ネタではコメディアンたちがメイクやかつら等でいちおう外見を寄せているのにたいして、チェビー・チェイスのフォード大統領はほぼ、32歳のチェビー・チェイスのまんまである2]

1:似せようとする気があるのかも疑わしいような何か

それはどこか、いしいひさいちの描く政治家たちを思わせもする。しばしば〈一点突破〉を試みる彼のキャラクターたちもまた、〈似顔絵風刺マンガ〉といった土俵にはハナから乗っていないように見えるときがある。たとえば父ブッシュのときの副大統領、ダン・クエールは「ばか」という設定で、顔は原辰徳である。

2:チェビー・チェイスのまんまである

そういえばその初登場時(?)のコントでは、「彼は合衆国大統領ではありません……が、彼自身はそうだと思っています」というテロップが冒頭に出る。

ここでふと思い出し、『 03(ゼロサン)』という雑誌の 1990年5月号を引っぱり出してみたのは、そこに宮沢(章夫)さんの書く、チェビー・チェイスについての小文が載っているからだ。その小文のなかで宮沢さんは、俳優を「原田芳雄」と「イッセー尾形」の 2種類に分け(あはは)、「彼自身を消し、人物のなかに溶けこんでみせる」後者のタイプにチェビー・チェイスを分類したうえで、

そうした役者たちは、幾種類もの眼鏡やカツラを自前で用意し、演じること=自己を消し他者になることを、ゲームのように楽しむ。私は彼らの、そのような稚気が好きだ。自分を前面に出す役者の傲慢さより、その無邪気さが好きだ。

と書く。それとともに、小文の結びにあたっては、

けれどその無邪気さが、ときとしてそうした役者の弱点にもなる。無邪気なだけでは役者はアピールできない。傲慢さが彼を観客に印象づける。彼でしかない人物のなかにこそ、私たちは彼を発見するからだ。

とも書くのだが全文はこちら、チェビー・チェイスによる「ただひたすら動作を失敗させつづけるひと」こそは、フォード大統領でもなんでもない、「彼でしかない人物」としてわたしの目に映るのだった。
さてこちらは何年も前のわたしのツイート。

@soma1104: チェビー・チェイスの「受話器が掛からない」がほんとうにすばらしい。 http://youtu.be/AkvR7N086oo
2013年8月16日 21:19

この動画のことも思い出して見たくなったのだったが、リンクを張っていた YouTube動画は非公開扱いになったかしていま見られなくなっている。それで、もっと丁寧につぶやいておけばなあと悔やんだのは、いたく感銘を受けたことだけはいまなお鮮烈に覚えているものの、内容については「受話器が掛からない」というそのことしかもはや残っておらず、これ、いったい何の動画だったのか── SNLのコントだったのか映画のワンシーンだったのか──、探す手がかりが無いに等しいのだった。
でもまあ、見つけましたよ。
「 Five-Timers Club」という SNLのコントがそれ。Five-Timers Clubというのは SNLのホスト役を 5回以上務めた人だけが入会できる特別な会員制クラブで、いちばん最初の登場は 1990年12月8日の放送回。そのときが 5回目のホスト役だったトム・ハンクスが、モノローグのなかでメンバーズカードをゲットしたことを告げ、そこからクラブの様子を伝える VTRコントへとつながるそっちの回の映像はこれ。で、こちらは 2013年3月9日の放送回、ジャスティン・ティンバーレイクが 5回目のホスト役で、やはり手に入れたメンバーズカードを示し、コントに移ると、そこにはポール・サイモン、スティーヴ・マーティン、チェビー・チェイス、アレック・ボールドウィン、トム・ハンクスらが登場する。ダン・エイクロイドとマーティン・ショートも出てくるが、彼らは 5回務めてないのでそれぞれバーテンダーと給仕である。というようなコントなのだが、やはり、ここにおけるチェビー・チェイスの、「受話器が掛からない」はすばらしいのだった。

Walking: 778 meters • 1,432 steps • 13mins 58secs • 37 calories
本日の参照画像
(2017年5月 9日 15:44)

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