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Sep.
2017
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/ 4 Sep. 2017 (Mon.) 「初戦敗退 / サソリ固めさんのこと」

こちらは内藤選手が試合後のツイートに添付していた写真。背景から見て今日の写真ではないので(全日本ジュニアのひとコマ?)、心象風景ということだろう。

こちらが内藤に勝ったエリシア・ボルトン。アメリカの 17歳。USオープンの公式サイトから拝借。

梁英聖『日本型ヘイトスピーチとは何か──社会を破壊するレイシズムの登場』(影書房)

大木金太郎 [1929-2006]。本名、キム・イル。得意技は原爆頭突き。日本プロレス(団体名)においては、馬場・猪木とともに「若手三羽烏」と呼ばれた。

ロビンとピー。2012年12月。

21:06
今夜、全米オープン・ジュニア2日目、コート4の第2試合で内藤祐希が初戦を迎える。なかなかに難しい対戦相手だと見ているが、もし負けようものなら、あらゆるやる気を(わたしが)失うのではないかと気が気ではない。

といった余計なツイートをしたのがやはりいけなかったか、内藤祐希のシングルスは初戦敗退に終わる。7-6(4) 6-3。第1セットも第2セットも先にブレイクして先行したが、リードを守りきれず追いつかれて、相手に勢いを与えてしまう流れだったようだ。相手のエリシア・ボルトンはアメリカの 17歳。ドロー(シード決めとか)に直接影響するジュニアランキングでは内藤が 25位、ボルトンは 42位だが、まあこのへんの位置のこのくらいの差はねえ、ジュニアの場合そこまでポイントに固執した結果の順位でもなく、(お互いにだけど)どんどんプロサーキットの大会にも打って出ているなかでの順位だから一概に格上/格下と見做せられるものでもない印象があり、何より「地元アメリカ」というのがどうしたって、ノリやすい状況を生むのではないかと事前には危惧された。ま、スコアのみ、映像も見てないし、じっさいの試合の機微、調子、もろもろはわからない。
試合後だいぶ経ってから、あちらでは就寝前の空き時間とおぼしいころ、落胆の色を隠さない当人のツイートが流れてきた。むーん。内藤より上位の本玉真唯も敗けてしまったので、日本勢の女子でいうと佐藤南帆のみが一回戦を突破。佐藤は今年の春あたりからずっと、わりあい好調を維持している印象である。
残るはダブルス。前哨戦のカナダの大会でも組んだラトビアのヴィスマン選手とのペアで、いきなり、リバキナ率いる第5シードのロシアペアと当たることになっている。

シングルス一回戦
Elysia BOLTON (USA) d. Yuki NAITO (JPN) 7-6(4) 6-3
@ US Open Junior Tennis Championships

さて話はまったく変わるが、去年の暮れに発売された『日本型ヘイトスピーチとは何か』 という本があり、アマゾンの、そのカスタマーレビュー欄が差別主義者らによる書き込みでヒドいことになっているのを見知ったのはもうだいぶ前のことだ。星5つを付けて勧めるレビューも二、三はあるものの、数で上回ってちょっと(だいぶ)どうなのかという内容の星1つのレビューが溢れている。そのなかにあって、かなり異彩を放っているのが「サソリ固め」さんによる長めのレビュー(星5つ)だ。そのレビューぶりからして、そこそこ名の知れたレビュアーであるのかと思いきや、プロフィール(書き込み履歴)を見るに、この『日本型ヘイトスピーチとは何か』にたいするレビューしか書いていないことがわかる。想像するにどうやら、このレビュー欄の窮状を救うためだけに颯爽と現れたお方らしいのだった。かっこいい。
とはいえその書きぶりはけっして(理論的/思想的に)上段にかまえない。そうはせずにあくまで虚心に、〈一般の目線からの感想〉が装われるのだけれど、その〈一般〉が、何の疑問も挟まれることなく〈ある種のプロレスファン〉と等号で結ばれているところに、サソリ固めさんの戦略とユーモアはある。つまり、「ふざけてんじゃないのか」と見まがうほどの、切実な軽やかさがそこにはあるのだ。

私は昔からプロレスが好きで,特に長州力や前田日明を熱心に応援してきた。その中で,在日コリアンの差別問題に関心を持つようになり,昨今問題になっているヘイトスピーチにも関心を持つようになった。

この本を読んだ感想として言いたいことは3つ……ではなく4つある。
カスタマーレビュー: 日本のヘイトスピーチの特殊性とその原因がわかる

これ(数のかぞえ間違い)はスペイン宗教裁判(@モンティ・パイソン)でしょうぜったい、という補助線もあるのだが、もちろん、サソリ固めさんのうまさはそれだけではない。ここでは、サソリ固めさんが執拗に〈プロレス界における例〉を持ち出してくるところをいくつか挙げておこう。いや、なかなかうまいこと抜粋できずに引用が長いのだが、要は、ほんとは、全文をお読みいただきたいのである。

〔略〕また,私は国際情勢には疎いが,各国が批准している人種差別撤廃条約なるものがあるらしく,そこで差別の明確な定義があるらしい。それに照らし合わせて考えれば,何が差別であるか,はっきりしそうである。これのおかげで,かつて北尾光司が長州力に吐いた暴言は差別に該当すると,ようやく理解することができた。

〔略〕

3つ目は,政治家などの公人の差別扇動の影響力の強さである。〔略〕長州力も,彼の自伝で過去に出自を理由としたいじめ,いやがらせの対象になったことを述べていたが,その背景にはこのような公的な存在による差別扇動があったのだろうか。政治家なら何をやっても許されるのか。いつまでこんな時代が続くのか。

4つ目は,日本における平等の基準が歪んでいるということである。〔略〕日本における平等の基準とは,著者によると企業社会における平等であるという。それゆえ,この平等は,不平等である,ということらしい。つまり,企業社会における性別や年齢,雇用形態を理由とした待遇の格差が,一般社会における平等の基準になっているということである。そしてこのような基準が社会のいたるところに潜んでいると考えられる。そういえば、たとえば,かつて女子プロレスには25歳定年制あったが,男子のプロレスにはそんなものはなかった。あたかも一般企業における寿退社のようなものがプロレス界にも存在し,それが当然視されていたのだ。これは平等ではないといえよう。

そのほか,疑問点としては,私の読解力が欠如しているためかもしれないが,4章で各国の反差別政策の分類をしている意図がよく分からなかった。シンプルに,反差別政策の有無で論じるほうが,理解しやすいし十分ではないかと思った。また,差別の事例紹介にかんして,力道山や大木金太郎など著名な人物の例があれば,具体的なイメージがわきやすいのではないかと思った。
同上

 「力道山や大木金太郎など著名な人物の例があれば」ってのがなあ、さすがに笑っちゃいましたよ。そりゃ著名だけどさあ。でも著名じゃねーよ。

Walking: 4.4km • 6,335 steps • 1hr 6mins 3secs • 210 calories
Cycling: 1.2km • 5mins 16secs • 25 calories
Transport: 71.7km • 1hr 13mins 22secs
本日の参照画像
(2017年9月 7日 12:25)

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