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Jan.
2018
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/ 11 Jan. 2018 (Thu.) 「宮沢さんの『荒井由実はいつ松任谷由実になったか』」

ニボル。眼鏡を外したところ。

ポシュテ。「ニボル景気」に乗って体重は増加中。

ニボルに甘えられ、内心どきどきしているピー。

本日のむかしのロビン。2014年9月。

ロビンの命日。あれから一年が経った。新しい自転車が届く。
暮れのこと、大場(みなみ)さんが「はあああユウウウウミイイイイン」と悶えていたのはどうやらユーミン×帝劇vol.3『朝陽の中で微笑んで』を観に行き、カーテンコールで「やさしさに包まれたなら」の生歌に遭遇したということらしいが、そのツイートに応接していた宮沢(章夫)さんのツイートから、年明けの今日の、宮沢さんの早稲田での講義(「サブカルチャー論」)が「荒井由実はいつ松任谷由実になったか」というテーマを扱うのだと知り、それで聞きに(潜りに)行く。
さてこの「荒井由実はいつ松任谷由実になったか」(もちろん制度上の答え──いつ結婚したかを問うわけではない)は、抽象的な問いを投げかけるだけの〈為にする疑問文〉なのではなく、宮沢さんなりのじつにはっきりとした(日付まで付いた)答えが用意されたものなのだが、いやー、面白かった。授業はかなり坦々と進んで、トークショー的な面白さでぐいぐい引っ張るというのではないのだが1]、そのぶん、構成の妙──歴史記述の妙?──が光った。

1:〜ではないのだが

いくつか脱線したなかで笑ったのは話題が「荒井呉服店」(先日の晴れ着騒動でも話題にのぼった、八王子にあるユーミンの実家)に及んだときの余談で、宮沢さんが学生のとき、「学園祭に荒井由実を呼ぼうってことになったんだけどどうやって呼べばいいのかみんなわかんなくて、『荒井呉服店に掛けりゃいいんじゃないか』ってなって電話したんですけどね、ってそれ僕が掛けたんだけど、『ちょっとウチに言われましても』って言われた」という話だけれど、学生にはウケていなかった。わたしひとりが声を出して笑い、となりの席の学生に怪訝な顔をされてしまった。

 いや、構成の妙といっても話の流れはほぼ時系列を守って、荒井由実のデビュー前からセカンドアルバム『 MISSLIM』までを訥々と追うそのなかに〈六本木/赤坂〉と〈新宿〉とを往還するさまざまなキーワード──フィンガーズ、藤田敏八、キャンティ、川添梶子・浩史・象郎、アルファレコード、村井邦彦、ティン・パン・アレー、加藤和彦、石川セリ、TBSラジオ「パックイン・ミュージック」、その DJだった TBSアナウンサー・林美雄(『 MISSLIM』に収められた「旅立つ秋」はもともと、「パックイン・ミュージック」の最終回にあたって荒井が林のために作り、贈った曲だった)──が呼び込まれていくのだけれど、それがいよいよ 1975年1月19日の新宿厚生年金会館大ホール、『歌う銀幕スター夢の狂宴』(「パックイン・ミュージック」の終了後に林美雄が自身のやりたいことをやったイベントで、その客席には荒井由実がいたことがわかっている)に至ると、そこでちょっと講義の時間が止まったようになったのだ。
『歌う銀幕スター夢の狂宴』のステージ上にいた菅原文太の『仁義なき戦い』、渡哲也の『東京流れ者』、原田芳雄の『反逆のメロディ』、そして、林美雄が映画・演劇方面に接近するきっかけとなった藤田敏八監督の『八月の濡れた砂』、そこから日活ロマンポルノへの歴史的つながりを説明して(あと、小沢昭一がいいという理由で)『一条さゆり 濡れた欲情』……といった映像が順に、〈さわり〉とはいえそこそこ時間をかけて流されていく。「このパートちょっと長すぎやしないか」「大丈夫か」「はたして学生たちはどれほどその固有名や作品にピンときているのか」と要らぬ不安に駆られだしたその瞬間に、そう、かの〈答え〉はおもむろにわれわれの前に差し出されるのだ。

 その劇場に荒井由実はいた。
 先に引用した『 1974年のサマークリスマス』によると、荒井由実は劇場に漂っていた空気になじめず、なにか「もやもやした」気分になっていた。その後、『 COBALT HOUR』は録音された。その日、荒井由実は、松任谷由実になったのだ。一九七五年の一月一九日は、荒井由実にとって、二一歳の誕生日だった。
宮沢章夫「サブカルチャー論通信 No.25」(授業のレジュメ)より

「ではこの曲を聴いて今日の授業は終わりです」と、流されたのは、(宮沢さんの説明でいくとすでに「松任谷由実」となったあとの)荒井由実時代のラストシングル、「陰りゆく部屋」のミュージックビデオだ(当時のユーミンの記録映像を中心に構成されているこのミュージックビデオは 2012年のベストアルバム『日本の恋と、ユーミンと。』の特典 DVDに収録されている)

@aki_u_ench: 本日のサブカルチャー論、びしっと90分で終わった。気持ちがいい。RT SOMA Hitoshi @soma1104: 「荒井由実はいつ松任谷由実になったか」。すごく面白かったです。
2018年1月12日 0:00

で、これも奇しくも今日ぴあからメールが来て知るのだが、荒井由実とティン・パン・アレーが出るこんなライブがあるのだった。すげえけどよお。たけーよ S席よお。

Walking: 5.7km • 8,937 steps • 1hr 32mins 46secs • 267 calories
Transport: 93.2km • 2hrs 37secs
本日の参照画像
(2018年1月16日 01:54)

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