6
Jun.
2018
Yellow

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/ 23 Jun. 2018 (Sat.) 「サンドリヨン!」

音楽劇「サンドリヨン」のチラシ。節穴であるところのわたしはたったいま、何かぼんやりとした文様のようなものだと思っていたもの(後ろのイラスト)について、「あ、ガラスの靴か」と気がついた次第。

13:53
市民会館だぜ。間に合わないかと思ったぜ。

油断していたらぎりぎりになった。いつもの習い性で北口駅前の駐輪場に自転車を止め、そうして徒歩で向かうと市民会館──ネーミングライツのアレでもっていまは「たましんRISURUホール」──は多少距離がある。自転車のまま市民会館まで行けばよかったのではないかというのは後世の人が考えたことであり、わたしは走った。市民会館に来るのはたぶんこれが二度目。2008年10月に小米朝改め米團治の襲名披露公演で来たのが一度目で、それ以来のはずだ。本日は、オペラグループ「オペリーナ」の第二回公演、『音楽劇「サンドリヨン」〜シンデレラたちの物語〜』に駆けつけた。市井のおじさんおばさんがフランス語で歌い、日本語で芝居をするその〈小さなオペラ〉に、「構成・演出」というクレジットで稲毛(礼子)さんが参加しているのだった。
まあ、いわゆる〈晴れの舞台〉感は観る側としても折り込み済みであり、個々の出演者にたいして、「大丈夫だろうか、はたして楽しめているだろうか」とふと心配してしまうのはとりわけ序盤、どことなくムスッとした表情に見える人などもいて、それはひょっとして「かしこまっている」という状態なのか、たんなる緊張か、あるいはむしろ「素の状態がそれ」なのかとも想像するが、とにかく「楽しんでくれていればいいのだが」とお節介な思いを抱えずにはいられない。と、そんな顔つきだった人があるとき、ぱっと楽しげになる瞬間があったりして、その破壊力といったらない。
そんななか稲毛演出は、冒頭のシーンからしていろいろ周到に考えているなあと思わせるもので、たとえば舞台上の彼らは何者なのかという根本のところにかんして、稲毛さんはおそらく、何もてらわず、と同時にしっかり一枚虚構のレイヤーを挟むことも忘れずに、〈今日この場で、サンドリヨンの音楽劇を発表することになった者たち〉なのだと規定したのではないか。その設定から自ずと彼らは〈役者〉として振る舞う──四人の俳優でサンドリヨン(シンデレラ)役のバトンを渡していく構成もそれを補強する──のだが、といって彼らはプロ(の役者そのもの)ではなく、これは冒頭に抱いた印象なのだが、彼らが発表会をすることになった〈この場〉とは〈どこかの森〉であり、〈彼ら〉はすなわち〈妖精〉なのだと了解してわたしは観ていた。
面白かった。終演後に声をかけた稲毛さんからは「〈いろんな意味で〉面白かったんでしょ?」と返されたが、そうなのだ、出演者個々の人としての魅力も、そのさまざまなドタバタも含め、まさしく舞台上の〈いろいろ〉をすべて抱え込むことに成功したように見える佳品がそこにあった。市民会館を出ると降り出していた雨もいっそ心地よい湿りと感じられ、わたしは気分よく、傘を広げる。
そのあといったん帰宅し、一時間ほど寝てからふたたび家を出る。モメラスの『青い鳥』を予約してあったのだが、うっかりこれもぎりぎりになった。乗ろうとしていた南武線を一本逃す。で、横浜で走るのを良しとして素直に一本後の南武線で行けばよかったのだが、八王子に出て特急の「はまかいじ」に乗れば早いと、乗換アプリの甘言に釣られたのが失敗だった。揚々と八王子に着いてから確認すると、はまかいじの運行が大幅に遅れている。だからといって普通の横浜線ではもとよりすでに 19時開演に間に合わず、あっさりと万事休す。あきらめてモメラス制作宛にメールでキャンセルを入れ、予約を明日夜に変更してもらうことにした。申し訳ない。

本日の参照画像
(2018年6月27日 00:57)

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