/ 4 Mar. 2019 (Mon.) 「今月のウラゲツの言いなり」
■ウラゲツなぞと馴れ馴れしいが、「ウラゲツ☆ブログ」は、月曜社という出版社の小林浩さんが投稿・運用しているブログ。その「注目新刊」の記事──自社の新刊の宣伝ではなく、広く各社の新刊に目配せする内容──には毎度、ほんとに散財させられているけれど、今日もまたいいように買わされてしまうわたしだ。11冊紹介されているうちの 3冊という、けっこうな打率でお買い上げ。
■今日の記事で紹介されていたのはこの 11冊(ウラゲツ☆ブログでは、書名のリンクは基本的に版元サイトの商品ページに張られているが、以下ではアマゾンに張り替えさせてもらっている)。
- 『ゆるく考える』(東浩紀著、河出書房新社)
- 『あたかも壊れた世界──批評的、リアリズム的』(小泉義之著、青土社)
- 『世界史の実験』(柄谷行人著、岩波新書)
- 『吸血鬼百科 復刻版』(佐藤有文著、復刊ドットコム)
- 『書物の破壊の世界史──シュメールの粘土板からデジタル時代まで』(フェルナンド・バエス著、八重樫克彦/八重樫由貴子訳、紀伊國屋書店)
- 『宇宙の果てまで離れていても、つながっている──量子の非局所性から「空間のない最新宇宙像」へ』(ジョージ・マッサー著、吉田三知世訳、インターシフト発行、合同出版発売)
- 『イスラーム神学古典選集』(松山洋平編訳、作品社)
- 『ドゥルーズ『差異と反復』を読む』(森田裕之著、作品社)
- 『ロシア構成主義──生活と造形の組織学』(河村彩著、共和国)
- 『ハバナ零年』(カルラ・スアレス著、久野量一訳、共和国)
- 『現代思想 2019年3月号 特集=引退・卒業・定年』(青土社)
ウラゲツの「注目新刊」の魅力はなんといっても実物の背表紙を並べて撮った写真にあるので、それも引いておこう。
さて、わたしはどれを買ったのでしょう?
答えは少しだけもったいぶるとして、ところで『ロシア構成主義』についてはこう説明がある。
なお本書の、カバーと帯が斜めにカットされているのは初版のみの仕様とのことです。
注目新刊:バエス『書物の破壊の世界史』紀伊國屋書店、ほか : ウラゲツ☆ブログ
あははは。いったい世間にどれほど、その「初回特典」に飛びつくやつがいるんだって話だが、ここにいたんだなあ。
■答えは『宇宙の果てまで離れていても、つながっている』と『ロシア構成主義』と『あたかも壊れた世界』。アマゾンで注文して明日を待つか、はたまた夜、本屋に駆け込むかではいつも少し迷い、今回は後者に。ほんとうに閉店間際、店内の検索端末もシャットダウンされたところへ滑り込んだのでおとなしく全部店員に探してもらったが、すると、いちばん欲しかった『宇宙の果てまで〜』は明日、3月5日の発売だとのこと。あとの 2冊を買い、『宇宙の果てまで〜』はすぐさまアマゾンによろしく頼んだ。
■いやー、しかしさあ、もちろんドラゴンブックスの『吸血鬼百科』にだって興味は惹かれ、『書物の破壊の世界史』なんてきっと面白いに決まっていて、『ハバナ零年』の帯の惹句ときたらこんな調子なのだから、まったく毎度々々書物のやつめ。ウラゲツめ。
カオス理論とフラクタルを用いて、電話がキューバで発明された事実を証明せよ!?
1993年、深刻な経済危機下のキューバ。数学教師のジュリアは、世界で最初の電話がハバナで発明されたことを証明する、イタリア人発明家アントニオ・メウッチの重要な自筆文書の存在を知る。その文書をめぐって、作家、ジャーナリスト、そして元恋人までが虚々実々の駆け引きと恋を展開するが……。
キューバ出身の新鋭作家が、数学とミステリーの要素を巧みに織り込んで挑んだ代表作。
[2012年カルベ・ド・ラ・カリブ賞受賞作]
ハバナ零年 カルラ・スアレス(著) - 共和国 | 版元ドットコム、太字強調は引用者
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