/ 10 Jul. 2007 (Tue.) 「おめでとう」
■もうね、ほんと「立ち喰いで出されたうどんを全部つなげて、一本にしてから食べる」とか、私は「第15回読売演劇大賞・女優賞」の中間選考に残ろうという人にむかって、なんてことを言っていたんだまったく(左欄写真参照、クリックで広範囲な画像が出ます)。この報せを私は遊園地再生事業団メンバーの上村(聡)君から聞いたが、そのあとの帰り道、四、五軒ハシゴした末のコンビニでようやく今日付の読売新聞・朝刊を手にし(ありがとう、セブンイレブン・ナントカ店。店名までは知らねえよ)、うれしさのあまり、携帯で笠木さん宛によくわからないメールを送ってしまった。私は書いたのだ。
ノミネートされたみんなで箱根に一泊とか、そういうイベントはないの? ないか。
いや、「読売演劇大賞」というものを私はよく知らないが、そういう家族的な、和気藹々としたノリの賞だったらどうしようかと、雨の中、ひとり私は要らぬ心配をしていたのだった。ほら、なにせさまざまな方面から勝手に選ばれるわけだし、みんなほとんど初対面の人ばかりで、さらには橋爪功さんのような重鎮もずっといっしょだから、笠木さん、あんまり箱根を楽しめないんじゃないかなあ(一泊だし)と思っていたが、杞憂だった。そんな旅行はないらしい。って、そういうくだらない筆はいったん置いて、笠木さんを祝し、ま、ひとつ改行しとこうか。
■ほんとうにおめでとう。中間選考に残ったからといってきっと君はなにひとつ変わるわけでもなく、今日生きたように明日も生きるだけだろうけれど、だからこそ、おめでとう。
■うわ、これもよくわからないか。「おめでとう」だけにしときゃよかったよってことになっているけれど、まあ、消さない。日記はいきおいだ。
■こういう説明を加えることに甲斐のあるたとえば親戚とか、たぶんここ見てないとは思いますが、えーと、あの人ですよ、私の結婚式で司会をやってた女性です、笠木泉さん。
■もうこうなったらあれだな、さらにいま思いついた笠木さんの特技とか、みんなに教えておこう。
「自動改札を、あきらめさせる」
これはですね、駅の自動改札の切符を入れる口、あそこに切符を少しだけ吸い込ませて、そのまま放さず、吸い込もうとする自動改札に抗って、ぎゅーっと切符を指でつまんで耐えるわけです。もう必死ですよ、笠木さんは。見てるこっちも気が気じゃない、後ろとかつかえてるし。で、一分か、二分ぐらいかな、耐えてると、自動改札がついにあきらめるんですね。ゲートがパカッと開く。で、笠木さんはすたすたと出ていくわけです。これが特技。いま思いつきましたけど。
■今日は夜、以前より告知のあった「新宿セミナー」、『東京大学[ノイズ文化論]講義』の出版記念トークイベントに行ってきた。しばらく前に電話で予約してあったのだが、そのさい「当日かならず六時半までにチケットを受付でお受け取りください」ときつく言われていたように記憶し、それで少し手前に紀伊国屋に着くと、今度はチケットを受け取ってしまえば座席は指定席だから開演の七時までちょっと暇があるような具合になって、そうしてまんまと紀伊國屋書店の罠にはまってしまったというのはついつい、本を買ってしまったからだ。二冊。
■網野善彦と原宏之。どちらも『東京大学[ノイズ文化論]講義』に出てくる名前だが、買ったのは『異形の王権』でも『バブル文化論 〈ポスト戦後〉としての一九八〇年代』でもなくて、そっち買っちゃいますかという『網野善彦著作集・第十三巻 中世都市論』と『言語態分析──コミュニケーション的思考の転換』。いやー、面白そうっすよこれ。網野さんの『中世都市論』が面白いだろうことはまあもちろんだけど、原さんのもよさそうだ。若々しく生硬な論文々体がね、たまらない、って何に注目してるんだか。
■そんな買い物をしつつ会場の四階・紀伊國屋ホールにむかうと、入り口に『ニュータウン入口』の役者陣が数人、かたまっていた。上村君もいる。實光(崇浩)君もいた。勝手な思い込みだけど、てっきり實光君はもう大阪に帰ってるもんだと思っていたから、「あ、いるんだ、まだ」と失礼なことを私は言う。上村君は会うなり、「相馬さん、日記書きすぎ」と笑った。上村君は携帯で、こまめにここを読んでくれているのだった。
■トークイベントの内容は割愛。なんだよそこが肝心じゃないか、何のためにお前の日記を読んでると思ってんだこのやろうという方面にはまったく申し訳ない。ちょっとね、ここに来るまでにかなり書いてしまった。
■会場ではそのほか、知り合いで編集者の竹村(優子)さん、『トーキョー/不在/ハムレット』で演出助手仲間だった三浦(美帆)さんなどに会う。三浦さんは久しぶりだが、そんな小さかったっけというほど小さくて驚いた。イベント後には打ち上げが用意されていたが、宮沢(章夫)さんがサイン会をやっているあいだ打ち上げの店にいて、上村君としゃべったりしつつ、合流した宮沢さんに挨拶だけして帰ってきた。
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